みんなの小さな光

手放すことで見つけた小さな光

Tags: 体調不良, 回復期, 希望, シンプルライフ, 手放す, 心のケア

体調不良の中で感じる重圧

体調が優れない時期は、それまで当たり前だった日常の景色が、全く違って見えることがあります。以前は何でもなかった小さな用事も、こなすのが精一杯に感じられたり、人との約束が億劫になったり。心身の不調は、物理的な負担だけでなく、心に重たい影を落とします。

特に、体調を崩す前と比べて「あれもできない」「これも無理だ」と感じることが増えると、自分自身を責めてしまったり、焦りを感じたりすることも少なくありませんでした。周りの人が活発に動いているように見え、自分だけが立ち止まっているような感覚に陥り、どうすれば良いのか分からなくなることもありました。

「手放す」という選択

そんな中で、無理に以前の自分に戻ろうとすることや、全てのことを頑張ろうとすることが、かえって自分を苦しめているのではないかと気づき始めたのです。体調がままならない時、これまでの生活で抱え込んできたものが、まるで重い荷物のように感じられました。

そこで、思い切って「何かを手放してみよう」と考えました。それは、物理的な物であったり、人間関係であったり、あるいは「こうあるべきだ」という固定観念であったり、様々な形でした。

例えば、頻繁に確認していたSNSから少し距離を置いてみました。世の中の動きや他者の状況を気にしすぎるのをやめたのです。また、これまで「いい人でありたい」という気持ちから引き受けていた頼まれごとを、状況によっては丁重にお断りする勇気を持ちました。部屋の中を見回し、使う頻度の少ない物や、見ていて気持ちが沈むような物は手放していきました。

最初は何となく寂しさや不安を感じることもありましたが、少しずつ、不思議なほどの心の軽さを感じるようになったのです。

シンプルさの中に見えた光

手放すことで生まれた心のスペースに、静けさや穏やかさが満ちていくのを感じました。必要最低限のことで生活を回し、情報過多な世界から少し離れてみると、それまで見過ごしていた日常のささやかな光が見えてくるようになりました。

例えば、朝起きて最初に飲む一杯の水の美味しさ。窓から差し込む光の温かさ。静かな部屋で、ただ鳥のさえずりに耳を傾ける時間。以前は「何もしない時間」に対して焦りを感じていましたが、その「何もしない」が、実は心身にとって一番必要な癒しの時間だったことに気づいたのです。

また、物を減らし、身の回りをシンプルにしたことで、本当に大切なものが何かが見えやすくなりました。本当に心地良いと感じる空間、心から繋がりたいと思う人々、そして自分自身の素直な気持ちです。

体調不良という経験がなければ、もしかすると私はずっと、多くのものを抱え込み、焦りや義務感の中で生きていたかもしれません。「手放す」という選択は、後ろ向きな行動ではなく、今の自分にとって本当に必要なものを選び取るための、前向きな一歩だったと感じています。

今、そしてこれから

体調は波がありますが、何かを手放し、シンプルに生きるという選択は、私に確かな光を与えてくれました。それは、派手な輝きではなく、足元をそっと照らしてくれるような、温かい光です。

もし、体調が優れない中で、多くのことを抱え込み、重荷に感じている方がいらっしゃいましたら、無理に頑張るのではなく、一度立ち止まり、何か一つでも手放せるものはないかと考えてみるのも良いかもしれません。それは、きっと心の負担を減らし、新たな小さな光を見つけるきっかけになるはずです。

この「みんなの小さな光」の場が、それぞれのペースで歩む方々の、温かい繋がりとなりますことを願っております。