みんなの小さな光

毎日の小さな「できた」がくれた光

Tags: 小さな習慣, 日常, 希望, 心の支え, 体験談

不確かな日々の中のささやかな願い

体調が優れない時期は、日々が不確実なものに感じられることがあります。朝目覚めて、今日の体調はどうだろうか。昨日できたことが、今日はできないかもしれない。そんな不安や、先の見えない辛さに心が沈んでしまうことも少なくありませんでした。当たり前だと思っていた日常が失われ、何を拠り所に生きていけば良いのか分からなくなるような感覚に襲われることもありました。

そんな中で私が心のどこかで願っていたのは、大きな変化ではなく、ただ「普通」と思える時間が少しでもあること、そして、どんな日でも変わらずにできる、何か小さなことを見つけたいということでした。

ささやかな習慣がくれた確かな手応え

回復に向けて歩み始めた頃、体力も気力も十分ではなく、何か新しいことを始めるエネルギーはありませんでした。ただ、それまでの生活のリズムを取り戻したいという漠然とした思いがありました。大きな目標を立てるのではなく、まずは本当に小さなこと、体調に関わらず続けられそうなことを意識してみることにしました。

例えば、朝起きたらまずコップ一杯の水をゆっくり飲むこと。ベランダに出て、数分だけでも空を見上げること。そして、寝る前に、ベッドの上でできる簡単なストレッチを3分だけ行うこと。どれもごくささやかな行動です。

最初は、これも辛いと感じる日もありました。水を飲むのが億劫だったり、外に出るのがしんどかったり。それでも、「これだけはやってみよう」と決めて、無理のない範囲で続けてみました。

驚いたのは、これらの小さな行動を「できた」という事実が、想像以上に心の支えになったことです。体調が悪く、一日中寝て過ごした日でも、「朝、水を飲んだ」「空を見た」という小さな「できた」があるだけで、何もできなかった一日ではなかった、という感覚になれたのです。

特に、夜寝る前のストレッチは、一日の終わりに「今日も一つ、自分と向き合う時間を持てた」という満足感を与えてくれました。体の強張りだけでなく、心の緊張も少しずつ解けていくような気がしました。

これらの習慣は、体調が良い日も悪い日も、形を変えずにそばにいてくれる、私の小さな味方のような存在になっていきました。毎日繰り返すことで、心の中に確かなリズムと、自分を肯定できる小さな根拠が生まれていったのです。

繰り返しの中に育まれる希望

小さな習慣を続ける中で気づいたのは、何かを「続ける」こと自体が、心の安定に繋がる力を持っているということです。そして、「できた」というささやかな達成感の積み重ねが、自己肯定感を育み、少しずつ前向きな気持ちを取り戻すきっかけになるということでした。

大きな一歩は難しくても、小さな「できた」を積み重ねていくこと。それは、今の自分を認め、未来への小さな希望を灯し続けることなのかもしれません。

体調と向き合う日々の中で見つける光は、劇的な出来事だけではないと感じています。日常のささやかな繰り返しの中にも、心を支え、明日へ繋がる温かい光は確かに存在しているようです。

ここで皆さんと、それぞれの「小さな光」を分かち合えることを嬉しく思います。一つ一つの体験談が、誰かの心の灯りとなることを願っています。