みんなの小さな光

植物の成長に見つけた小さな光

Tags: 希望, 癒やし, 日常, 体験談, 植物

気持ちが沈む日々の中で

体調がすぐれない時、心まで重く沈んでしまうことがあります。思うように体が動かせず、未来が見通せないような不安に襲われ、自分には何もできないのではないかと無力感に苛まれることもありました。そんな日々が続くと、部屋の空気もどんよりとして感じられ、ただ時間が過ぎるのを待つだけのように思えていました。

部屋にやってきた小さな緑

そんな頃、ふとしたきっかけで小さな観葉植物を部屋に迎え入れました。特別な理由があったわけではありません。ただ、少しでも部屋に生気のようなものが欲しかったのかもしれません。最初のうちは、水やりを忘れてしまうこともあり、正直なところ、あまり気にかける余裕もありませんでした。それでも、その小さな緑は静かにそこにありました。

ある朝、いつものようにぼんやりと植物を眺めていると、茎の先から、くるりと丸まった新しい葉が出ていることに気がつきました。それは本当に小さな変化で、見落としてしまいそうなほどのものでした。しかし、その葉が一日ごとに少しずつ、本当に少しずつ、開いていく様子を見た時、胸の奥に小さな波紋が広がったのを感じました。

葉っぱ一枚がくれた力

それから、その植物に意識を向ける時間が増えました。水やりをする時に葉の色や張りを見るようになりました。埃を優しく拭いてあげると、葉が光を受けてきらめくのが分かりました。特別なことではありません。ただ、目の前にある小さな命が、私の体調に関係なく、静かに、しかし確かに生き、成長しようとしている。その当たり前の営みが、当時の私にはひどく尊く、力強く感じられたのです。

体調が悪い日は、ただベッドからその緑を眺めているだけでした。それでも、そこに「生きているもの」があるだけで、部屋に、そして自分自身の心の中に、ほんの少しだけ風が通るような気がしました。新しい葉が出るたびに、その小ささに感動し、それが少しずつ広がり、緑を濃くしていく様子を見るたびに、停滞しているように感じていた自分の時間にも、いつか変化が訪れるのかもしれないという静かな希望が芽生えました。

日常の中に息づく希望

大きな出来事や劇的な変化だけが希望をもたらすわけではないことを、その小さな植物が教えてくれたように思います。希望は、案外、身近なところに、日々の静かな営みの中に隠れているのかもしれません。自分のペースで、無理なく関われる何かを見つけること。そして、そこに起こる小さな変化に目を向け、感じ取る感性を持つこと。それが、辛い日々を乗り越えるための、大切な一歩になるのかもしれないと感じています。

私の体調も、植物の成長のように、ゆっくりと、時にもどったりしながらも、少しずつ前に進んでいるのかもしれません。目の前の小さな緑から力をもらったように、ここ「みんなの小さな光」で共有される様々な体験談が、誰かにとっての「小さな光」となることを願っています。