静かな時間の中で、自分と向き合って見つけた光
静かな時間と、ゆっくりと流れる日々
体調が優れない時、活動が制限され、静かに過ごす時間が増えることがあります。それまで当たり前のように外に出ていたのが難しくなったり、人との交流が減ったりと、戸惑いや不安を感じることもあるかもしれません。私も、そのような日々を過ごしていた時期がありました。
時間だけがゆっくりと流れるように感じられ、何をすることもできない自分を責めてしまうこともありました。周りの人々がそれぞれの日常を送っている中で、自分だけが立ち止まっているような感覚に陥ることもありました。部屋の中でただ静かに過ごす時間は、焦りや孤独感を伴うことも少なくありませんでした。
静寂の中で見つけた小さな発見
しかし、そうした静かな時間の中で、これまで気づかなかった小さなことに目を向けられるようになった自分がいることにも気づきました。
例えば、窓から差し込む光の変化です。朝の柔らかな光、昼間の力強い光、そして夕方の茜色に染まる光。体調が良い日には気に留めることもなかった光の移ろいが、その時の私にとっては、一日の始まりや終わりを静かに告げてくれる大切なサインのように感じられました。カーテンの隙間から漏れる一筋の光に、ほんの少し温かさや安心感を覚えることもありました。
また、外から聞こえてくる音にも、以前より耳を澄ませるようになりました。遠くを走る車の音、風に揺れる木の葉の音、そして鳥のさえずり。特に鳥の声は、季節や時間によって異なることに気づき、それが小さな楽しみとなりました。世界の営みは、自分がどんな状態であっても続いているのだということを、静かな音色が教えてくれたような気がいたします。
自分自身との、ゆっくりとした対話
そして何より、静かな時間が増えたことで、自分自身と向き合う機会を持つことができました。体調不良になる前は、常に何かをしていないと落ち着かないような忙しい日々を送っていました。自分の本当の気持ちや、何に価値を感じているのかを深く考える時間はほとんどなかったように思います。
体調が優れない今は、無理に活動する必要はありません。静かに横になったり座ったりしながら、ただ自分の内側に耳を澄ませてみました。すると、漠然とした不安だけでなく、かすかな喜びや、これからのことについてぼんやりと描く願いがあることにも気づかされました。
過去の出来事を静かに振り返ったり、今の自分の状態を客観的に見つめたりする中で、「これで良かったんだ」と思えることや、「今はこれで十分だ」と自分を許せる瞬間が少しずつ増えていったように感じます。完璧でなくても良い、立ち止まる時間があっても良いのだと、自分に優しくなれたのです。
静かな時間から生まれた、心の中の光
体調が回復するまでの道のりは、時に長く感じられるかもしれません。しかし、そうした静かな時間の中で自分自身と丁寧に向き合うことは、回復した後の日常をより豊かに生きるための、大切な準備期間になるのではないかと感じています。
静寂の中で見つけた光は、窓辺の光や鳥の声のような外の世界の小さな変化だけでなく、自分の心の奥底にある、まだ気づいていなかった願いや強さ、そして自分自身を大切に思う気持ちだったのだと思います。
焦らず、今の自分にできること、そして静かな時間の中に隠れている小さな発見に目を向けていくこと。それが、未来へと繋がる自分自身の「小さな光」を育んでいくことに繋がるのではないでしょうか。このサイトが、そのような小さな光を分かち合い、皆さまが繋がりを感じられる場となれば幸いです。