みんなの小さな光

心に響いた音色がくれた小さな希望

Tags: 体調不良, 希望, 音楽, 癒し, 日常

静かな日々の中で

体調が優れない時は、どうしても心細く、世界から隔絶されてしまったような気持ちになることがあります。賑やかな外の様子が遠くに感じられ、自分の部屋だけが静止しているような感覚です。そんな時、以前は当たり前すぎて意識もしなかった「音」が、少しずつ違って聞こえるようになりました。

外の世界と繋がる音

特に体調が辛く、外出がままならなかった時期、窓の外から聞こえる音に耳を澄ませる時間が多くなりました。雨が窓を打つ音、風が木々を揺らす音、遠くで聞こえる子供たちの声、通り過ぎる車の音。それらは、かつては何気ない日常の一部でしたが、その時はまるで外界との細い糸のように感じられました。

ただそこに「音」がある。それだけで、自分は完全に孤立しているわけではないのだ、世界は確かに動いているのだ、と感じることができたのです。それは大きな出来事ではありませんでしたが、心にぽっと小さな明かりが灯るような感覚でした。

部屋の中のささやかな音

部屋の中の音にも、意識が向くようになりました。時計の秒針が進む音、自分の呼吸の音、そして体を起こした時の衣服の擦れる音。それらの小さな音は、今自分がここに存在していることを静かに教えてくれているようでした。特に、深い呼吸を意識してその音に耳を澄ませることは、不安な気持ちを落ち着かせるのに役立つことがありました。

心に寄り添う音楽との再会

しばらく音楽から遠ざかっていましたが、ある時、ふと昔好きだった曲を聴いてみようと思いました。無理のない範囲で、静かなインストゥルメンタルから聴き始めたのですが、そのメロディーが優しく心に染み込んでくるのを感じました。

悲しい時は悲しい曲が、寂しい時は寂しい曲が、自分の感情に寄り添ってくれるように思えました。そして、少しでも前向きになりたいと思った時には、穏やかだけれど力強さを感じる曲を選ぶようになりました。音楽は、言葉にならない感情を受け止め、そっと背中を押してくれるような存在になってくれたのです。

体調が少しずつ回復してくると、以前よりも多様な音楽を楽しむことができるようになりました。同じ曲でも、体調や気分によって聞こえ方や感じ方が変わることに気づき、それがまた面白い発見でした。

音が教えてくれたこと

体調不良を通して、私は日常の中に溢れている「音」が、これほどまでに心の状態に影響を与えるものだということを学びました。特別なことでなくても、耳を澄ませてみる。心に響く音や音楽を見つけてみる。それは、辛い状況の中でも自分と繋がり、外界と繋がり、そして小さな希望を見つけるための一つの方法なのだと感じています。

もし、静かな日々の中で心細さを感じることがあれば、身の回りの小さな音に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。あるいは、無理のない範囲で、心に寄り添ってくれるような音楽を探してみるのも良いかもしれません。

「みんなの小さな光」は、私たち一人ひとりが困難な日々の中で見つけた、こうしたささやかな希望を分かち合う場所です。ここで交わされる一つ一つの体験談が、誰かの心の光となることを願っています。