小さな動きがくれた、心と体の小さな光
体が思うように動かせない日々の中で
体調を崩し、それまで当たり前のようにできていた体の動きが難しくなった時、心細さを感じることがありました。ベッドから起き上がるのも一苦労だったり、少し歩くだけで息が切れてしまったり。思うように動かせない自分の体に、落胆したり、焦りを感じたりすることもありました。
そんな中で、「何か少しでも、自分のためにできることはないだろうか」と考えるようになりました。もちろん、無理は禁物です。担当の方とも相談しながら、本当に小さな一歩から始めてみることにしました。
ベッドの上で始めた小さなチャレンジ
最初に試みたのは、ベッドに横になったままでもできる、手や足の軽い屈伸運動でした。ほんの数回動かすだけでも、何だかぎこちなくて、少し痛みが伴うこともありました。それでも、動かせたこと自体が、その時の自分にとっては小さな達成感になりました。
次に、椅子に座ってできる簡単なストレッチを取り入れてみました。肩を回したり、首をゆっくり傾けたり。画面を見ながら、ゆっくりとした呼吸に合わせて体を伸ばしてみると、固まっていた体が少しずつ緩んでいくのを感じました。劇的な変化があったわけではありませんが、ストレッチを終えた後に、体の内側からじんわりと温かさを感じる瞬間がありました。その温かさが、冷え切っていた心にも小さな火を灯してくれたように感じたのです。
さらに体調が少しずつ安定してきた頃には、部屋の中をほんの数分だけゆっくり歩いてみることに挑戦しました。外を自由に歩き回っていた頃に比べれば、本当にわずかな距離です。それでも、自分の足で地面を踏みしめ、体を前に進める感覚は、失っていた自信を少しだけ取り戻させてくれるものでした。窓から差し込む光を浴びながら歩くその時間は、体だけでなく、滞っていた心の空気も入れ替えてくれるようでした。
小さな変化に気づくことの大切さ
これらの「小さな動き」から得られたのは、体の変化だけではありませんでした。「少しだけ動けた」という事実が、自分にもまだできることがあるのだという希望を与えてくれました。体を動かすことに意識を向けることで、体の小さな変化や、その日の体調に敏感になることができました。そして、そんな自分自身の状態を、否定するのではなく、「今日はこれくらいできたね」と受け止め、労わる気持ちが芽生えてきました。
体調が優れない時には、体を動かすこと自体が難しい日もあります。そんな時には、無理せず休むことも大切な「自分を労わる動き」だと知りました。大切なのは、誰かと比べるのではなく、今の自分の体と心に耳を傾け、できる範囲で「小さな動き」を取り入れてみることなのだと感じています。
大きな飛躍ではなくても、日々の小さな積み重ねが、やがて自分にとっての「小さな希望」の光となることを、あの頃の経験が教えてくれました。
このサイト「みんなの小さな光」が、体調と向き合う皆さんが、それぞれのペースで「小さな希望」を見つけるための一助となれば幸いです。